PC-FX


日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)がハドソンと共同開発したPCエンジンの後継機として発売。
PC-FXの商品名の意味及び由来は、「PC」=「PC-9800(PC-98)シリーズ」、「F」=「Future(未来)」、「X」=「未知数」から採ったもの。
PC-FXボード、PC-FXGAなどPC上でPC-FXのソフトが遊べるボードが発売されたり、PC-98シリーズの外付けSCSI接続のCD-ROMドライブとして使えるなど、当初はPC-98との連携を構想・意識されたハードであったらしいです。
また家庭用ゲーム機としては初めて縦置きデザインを採用しており、その年の通商産業省グッドデザイン賞を受賞したほどです。
動画専用のバスを備えるため、1994年当時の他の同世代機と違い直接動画を扱うことが可能で、『バトルヒート』のような他機種では実現不可能な新次元のゲーム表現が可能であったのが特徴。
しかし、表示個数やサイズなどに制限のないスプライト機能・演算性能10万ポリゴン/秒の3Dグラフィック機能の付加を実現する新グラフィックチップ・HuC6273の開発が難航し、PC-FX製品化のタイムスケジュールに間に合わないという事態になった。 このチップの代わりに前世代のPCエンジン用グラフィックチップ使用し、Motion JPEGデコーダ(HuC6271)を追加することで強力な動画再生機能を付与するという、はなはだアンバランスな構成となってしまう。
それが原因で、本機のグラフィック機能・・特に画面モードとビデオメモリへのアクセス方法には様々な制約が存在することとなり、グラフィックメモリマッピングが極めて変則的であるため3Dゲームのみならず、2Dシューティング/アクション/対戦格闘ゲーム等の移植も困難になってしまい、致命的な失敗となる。 他の次世代機群が次元の異なる高性能グラフィックコントローラを搭載していたことを考慮すれば、その敗北は明らかでした。 プレイステーション、セガ・エンタープライゼス(現:セガ)のセガサターンとほぼ同時期に発売され、PCエンジンの後継機として32ビットゲーム機戦争と言われた販売合戦の一角を担うかに見えましたが、2Dの動画機能を前面に押し出す代わりに、当時の他の次世代機最大のセールスポイントであった3Dポリゴン表示機能を全く備えていなかったのは大きなマイナスでした。 スプライトやサウンド機能がPCエンジンとあまり変わっていないなどの複数の致命的な戦略ミスにより約40万台と販売台数はストップし、たちまちに前2機の勢いに引き離されていく結果になってしまいます。
PCエンジンのウリであったビジュアルシーンなどの「アニメーション機能重視」の長所を引き継ぐつもりで設計されたマシンでしたが、完全に戦略ミスで劣勢を余儀なくされました。 キラーソフトも出ず、ギャルゲーやアニメなどの特定のファン層を対象とした偏りあるラインナップとなってしまったことが更に一般層への普及を妨げていき、サードパーティーの参加も控えさせてしまいます。
『天外魔境III』が本機に移行したことにより、一時売れ行きが伸びましたが・・・売り上げ不振などの理由により、結局は発売中止になってしまうという泥沼の展開に。
最終的に、32ビット機としては最初に消えた3DOの次に淘汰されることになり、ソフトの総数もわずか62本(雑誌付録、体験版、PC-FXGA専用ソフトを除く)という悲惨な結果に終わりました。
この失敗により、NECホームエレクトロニクスはNECグループの事業整理の対象となり、家庭用ゲーム業界から撤退することなります。
PCエンジンで一世を風靡したメーカーも、最後はユーザーの期待を裏切る悲しい結末となってしまったんですね。


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